この動画の相手は、台湾では名門団体でほぼ各階級優勝を根こそぎ持っていく、エントリーしたらその参加階級の選手は皆顔が青ざめる、そんな団体でも若手でブイブイ言わせている優勝歴の多いいわゆる強豪です。
この大会の前に国体があり、ここでも入賞を果たし、優勝は先輩に譲った、それだけのことで実力的には実はかなり脅威でした。
動画を見て分かるのですが、私は圧勝しました。それはなぜかというと、彼の国体の試合を全部見て対策を練っていたからです。
夢に出てくるまでずっと対策を練りに練って練りまくりました。
普通の選手は、あの上段に構えたやり方で腕を抜かれ何もできずに終わります。
腕を抜く力と速さが並大抵ではないのです。
一見上段に構えると不利になるんじゃないかと感じるのですが、彼にとっては基本スタイルで、一気に腕ごと体を持っていかれます。
私はこの対策を徹底的に考えに考え抜きました。
人の腕は伸ばし切り力を出しつくすギリギリのときが、一番抜き技に弱いのです。
なので私はギリギリの手前または腕を出さない、または腕を出しても全力で推したりしない、腕をつかんだら、中心の位置に誘導する、こういったランダム的なパターンを数個作り、彼を体感的にかき回しました。
戦術の効果でこのように圧勝することができたわけですが、基本パターンで戦ったら逆の結果となっていたと思います。
競技推手は一見ただの押し引きと誤解されがちですが、実は0.何秒の間のせめぎ合い、探り合い、誘い合い、誘導、硬直そして技術につなげる等々、かなり奥深いです。
特性を分析し戦術を練るなどを含めたらそれはそれは、まるで戦うチェスとでもいうような、それほど細かいことが要求されるものです。
この奥深さに魅了され、私はいい年したおっさんですが、妻に体を壊すから心配なのでやめてほしいとと言われながらも、血反吐をはくような努力を日々繰り返し、大会にいつも備えているのです。
2018年世界大会準決勝です。
いい年こいて青年部に出る親父対最年少の部を全て制覇し、国体入賞したばかりの勢いに乗ったヤングチャンピオンとの激戦です。
彼には必殺技があり、それを仕掛けられたら終わるので、仕掛けさせない技術で戦いました。
数百回イメージしたことを本番で成功させたのです。 pic.twitter.com/0tDTxbnFiC— 台湾に移住して、世界一を目指してみた (@taiwansuisyu) July 26, 2019