世界大会 推手

世界大会、ヤングチャンピオンとの激戦を振り返る。

投稿日:

この動画の相手は、台湾では名門団体でほぼ各階級優勝を根こそぎ持っていく、エントリーしたらその参加階級の選手は皆顔が青ざめる、そんな団体でも若手でブイブイ言わせている優勝歴の多いいわゆる強豪です。

この大会の前に国体があり、ここでも入賞を果たし、優勝は先輩に譲った、それだけのことで実力的には実はかなり脅威でした。

動画を見て分かるのですが、私は圧勝しました。それはなぜかというと、彼の国体の試合を全部見て対策を練っていたからです。

夢に出てくるまでずっと対策を練りに練って練りまくりました。

普通の選手は、あの上段に構えたやり方で腕を抜かれ何もできずに終わります。

腕を抜く力と速さが並大抵ではないのです。

一見上段に構えると不利になるんじゃないかと感じるのですが、彼にとっては基本スタイルで、一気に腕ごと体を持っていかれます。

私はこの対策を徹底的に考えに考え抜きました。

人の腕は伸ばし切り力を出しつくすギリギリのときが、一番抜き技に弱いのです。

なので私はギリギリの手前または腕を出さない、または腕を出しても全力で推したりしない、腕をつかんだら、中心の位置に誘導する、こういったランダム的なパターンを数個作り、彼を体感的にかき回しました。

戦術の効果でこのように圧勝することができたわけですが、基本パターンで戦ったら逆の結果となっていたと思います。

競技推手は一見ただの押し引きと誤解されがちですが、実は0.何秒の間のせめぎ合い、探り合い、誘い合い、誘導、硬直そして技術につなげる等々、かなり奥深いです。

特性を分析し戦術を練るなどを含めたらそれはそれは、まるで戦うチェスとでもいうような、それほど細かいことが要求されるものです。

この奥深さに魅了され、私はいい年したおっさんですが、妻に体を壊すから心配なのでやめてほしいとと言われながらも、血反吐をはくような努力を日々繰り返し、大会にいつも備えているのです。

 

-世界大会, 推手
-, , ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

全国大会決勝戦から、腕引き対処法

4年前、台湾の競技推手全国大会決勝戦からです。開始の号令と同時に、腕を引いて崩す技を仕掛けられました。事前に察知しなければ、なかなか対応しづらい技です。引きを止めながら重心を安定させ、次に転じるのを待 …

no image

2022 4 21重心を下げての技術で体重差を埋める

体重差のある相手と自由推手をやる時は ・攻撃をできる限り無力化する事・重心の変化を活用する事・無力化によって発生した相手の虚を、破綻しないうちにつく事 これを丁寧にやるようにしています。  体重差のハ …

no image

英才教育、片手で連結片手で誘導

https://twitter.com/taiwansuisyu/status/1335738660315140097 子供に英才教育です。 左手で推して相手が反応したら、その状態を保持して右手で崩し …

no image

チーサオで吸い寄せ崩しを自在に体現する

相手の反発の流れを軽くせき止める、または相手に防御させて硬直反射させると、対抗しようとする力が発生します。この瞬間は相手を操るチャンスが生まれるので、利用して崩し絶対的優位性を取っていきます。この技術 …

no image

8月、先生とチーサオ

先生とチーサオです。腕の重さを一定にして切らないようにし、相手が入れないよう守りを持続しながら、接点ができたら一気に崩し、防御を無力化して入っていきます。突進力と回転力、推測力、腕の重さにまだ差がある …